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概要

現代のインフラの維持管理において,コンクリート構造物の老朽化対策は喫緊の課題である.特に,北海道のような寒冷地では凍害によるひび割れの発生が構造物の性能低下を促進する要因の一つと考えられる.他方,バクテリアの代謝機能により炭酸カルシウムを析出させ自律的にひび割れを修復する自己治癒コンクリートが注目されている.既往の研究では静的な環境下での治癒評価に留まり,実環境で発生する凍結融解の繰返し作用が,治癒後の再劣化や治癒効果の持続性に及ぼす影響は実証が不十分である.本研究では凍結融解による劣化と自己治癒を交互に繰り返す方法で,バクテリア配合量および自己治癒期間の長さが繰返し治癒による性能回復に与える影響を評価した.凍結融解劣化と剛性の回復の評価には相対動弾性係数を用い,供試体の下半分を水中に浸漬させる自己治癒条件で実験を行った結果,繰返し作用する凍結融解に対する自己治癒性能は自己治癒期間の長さに依存し,バクテリアの配合量を増やすことで,繰返し凍結融解による再劣化の進行が抑制されることが確認された.また,供試体の上下の比較から自己治癒には水分供給だけでなく酸素供給が重要であることが示唆された.